火災現場の原状回復工事

解体工事

火災を起こした家、建物は当然のことながら、必ず原状回復しなければ生活をすることができません。再び住めるよう、被災した部屋を片付けた後は、リフォームやリノベーションが必要になります。

ちなみに、リフォームとリノベーションの違いはご存知ですか?リフォームは経年劣化などによっていたんだ部分を修復しなおすこと。システムバスやトイレの入れ替え、壁の貼り替え、畳からフローリングへのやり替え等がリフォームに入ります。

一方、リノベーションは家の機能を根本的に変更するような大規模工事のこと。間取りの変更や耐震性、機密性の向上等の大がかりな改修がリノベーションです。

火災物件の原状回復には、その損傷具合や施主の意向によってリフォーム、もしくはリノベーション作業が行われますが、業者のなかには利益率が高いリノベーション一択で提案してくるところもあるので、契約前には必ずいろいろな情報を精査して優良な業者を選んでください。

今回は当社とお取引をしたあるお客様の事例をご紹介します。こちらのお客様は当社を含め複数社にお見積もりを依頼したところ、当社以外はスケルトン工事一択の提案だったそうです。スケルトン工事とはリノベーションの一つで、建物の骨組み以外全てを解体し、水道の配管や電気の配線まで一からやり替える大規模改修のこと。もちろん、間取りやレイアウトを変え、デザインも好きなように造り返られるメリットはあります。しかし、そのかわりに費用は高額になり、日数もかかります。

当社はリフォームによる原状回復のご提案をさせていただきました。専門スタッフが現場を訪ねると、確かに焼失部分はあったものの、使われていたのは石膏ボード。不燃材のため、少しの火災であれば下地まで火がまわらないケースが多く、その場合はボードの張り替えからの施工で十分です。消火活動の際の放水で石膏ボードが使えなくなった場合も、ボードの外側がいたんでいなければ乾燥させて再利用でき、お客様の金銭的な負担を大幅に減らすことができます。

お客様が選んだのは当社の案でした。のちに聞いた話によると、他社の案と当社が出したリフォームの案とでは、なんと1000万円近い金額の差があったそうです。

ところで、火事の火元となった場合、多くの人はその後の住むところの心配や、焼失した家の原状回復のことはもちろんですが、隣家が延焼した場合はその補償のこと、借家に賃貸で住んでいる人は大家さんへの損害賠償など、お金の問題が大変気にかかるところだと思います。

結論からいうと、持ち家の人は火災保険の契約をしておくことを強く勧めます。建物と家財が被害を受けても、保険金が下りれば経済的にも精神的にも負担が軽減されます。ちなみに、日本には失火責任法という法律があり、「重大な過失を伴わない限り、失火については損害賠償を請求できない」と定められています。つまり、自分の家から発生した火事が元で他家が損害を受けても、賠償責任は問われません。逆に、自分の家がもらい火で被害を受けた場合は、火災保険でカバーできるため、契約しておくと安心です。

一方、賃貸契約者は家財保険をメインに、借家人賠償責任保険の特約に加入してリスクに備えてください。理由は建物は大家さんの持ち物のため、大家さんの火災保険でカバーされますが、賃貸借契約では契約終了時に原状復帰の義務が付記されているため、損害賠償責任を免れるものではないからです。高額な賠償金を求められる可能性があるため、やはり保険は大切です。

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