火事現場を解体した廃材は産業廃棄物?廃棄物の分類や処理費用を解説

火事現場から出るゴミのうち、燃え残りなどの火災ゴミは一般廃棄物として自治体に改修を依頼できます。しかし解体業者の作業によって出たものは産業廃棄物として処分することとなります。

この記事では、火事現場から出るゴミの分類に加え、産業廃棄物の処理にかかる費用相場や、ゴミ処理にかかる費用を抑える方法を詳しく解説します。解体そのものにかかる費用や、解体に関する注意点にも触れるため、被災後にお困りの方はぜひお役立てください。

 

1.火事現場を解体した廃材の分類

火事の焼け跡からは大量のゴミが発生します。中でも、解体業者が火事現場の建物などを解体することで出たゴミは、産業廃棄物の扱いになります。 業者による解体作業は事業活動であり、解体ゴミは事業活動によって出た廃棄物と見なされるためです。

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1-1.一般廃棄物とみなされるものは?

しかし、火事現場の解体跡から出るゴミは、すべてが産業廃棄物になるとは限りません。

解体現場には、「火災ゴミ」「り災ゴミ」と呼ばれるゴミが存在します。火災ゴミ・り災ゴミは、主に家具や建具、衣服などを含む家財などが燃え残ったものです。火災ゴミ・り災ゴミは火災に遭った時点で発生し、解体作業をする・しないにかかわらず存在するため、原則として産業廃棄物ではなく一般廃棄物として分類されます。

火災ゴミ・り災ゴミは、少量の場合は通常のゴミと同様、自治体で回収を受け付けています。ただし、大量に出たゴミは自力でゴミ処理工場に持ち込んだり、一般廃棄物を扱う業者に回収を依頼したりすることが必要です。また、金属やガラスなど、ゴミの種類によってはゴミ処理工場で受け入れてもらえない可能性もあります。

 

2.火事現場の解体や産業廃棄物処理にかかる費用は?

万一火事に遭った場合、火事現場の解体に伴って多額のゴミ処分費用がかかります。

たとえば、40坪前後の木造住宅の解体工事にかかる費用は、約200万~300万円が相場です。そのうち、産業廃棄物処理にかかる費用の相場は10~20%程度だと言われており、40坪前後の木造住宅であれば、20万~60万円ほどかかると考えられます。

廃棄物処理の費用は、解体費用を大きく左右する要因の1つとなっています。

 

2-1.廃棄物処理以外の費用も把握しておく

解体費用に影響を与える要因は、廃棄物処理の費用だけではありません。ここでは、廃棄物処理費用以外に、火事現場の解体費用を左右する要因を、相場なども交えて解説します。

基本解体費用

基本解体費用は、解体単価と坪数に応じて変動する費用です。解体単価はエリアと建物の構造によって大きく変わりますが、相場は約2万~6万円となっています。建物の構造別に見ると、相場がもっとも安いのは木造住宅の約3万~5万円、もっとも高いのは鉄筋コンクリート住宅(RC住宅)の6万~8万円です。

人件費

人件費は日給で算出されることが多く、作業員の人数と作業日数によって変動します。1日あたりの相場は1万~2万円程度で、地方や郊外より都心のほうが高くなる傾向です。解体作業は一般的に1週間前後で完了することが多く、3人の作業員が1週間の解体作業を行うと、21万~42万円ほどかかる計算になります。

必要諸経費

解体の諸経費には、次のようなものがあります。

  • 足場設置費用
  • 防音対策費用
  • 家の養生費用
  • 重機の燃料費用
  • 役所への申請代金
  • 近隣への粗品代
  • 消臭費用

火事現場にかかわらず、建物の解体には諸経費が必要です。ただし、火事現場特有の消臭作業が発生するため、通常の解体より多額の費用がかかります。通常の解体時の場合、諸経費の相場は解体費用の1~5%と言われていますが、全焼した火事現場の諸経費は、解体費用の5~15%が相場です。

火事現場の解体は特殊な作業となるため、廃棄物処理も含めて通常の建物の解体より費用がかかる傾向にあることがうかがえます。

 

3.解体や産業廃棄物処理の費用を抑えるには?

火事に遭った後はただでさえ心身のダメージや経済的な損失にさいなまれた状態です。くわえて、さまざまな手続きに追われ、体力的な負担も出費もかさみます。特に、出費はできるだけ抑えたいと考える人がほとんどでしょう。

ここでは、解体や産業廃棄物処理にかかる費用を少しでも抑える方法について解説します。

 

3-1.できる限り自身で一般廃棄物を処理する

一般廃棄物であれば、自治体の補助を活用することで廃棄物処理の料金を抑えられます。解体作業後のゴミは産業廃棄物扱いとなるため、解体前に自分自身で片づけられるゴミは処理しておくのがおすすめです。

補助制度の内容や有無はそれぞれの自治体によって異なりますが、費用の大幅な減免を受けられる自治体もあります。また、補助を受けるには「罹災証明書」の取得が必要です。罹災証明書は、火災が原因の場合は所轄の消防署で発行してもらえます。

 

3-2.火事現場解体実績のある信頼できる業者を選ぶ

作業を依頼する業者には、火事現場の解体実績がある業者を選びましょう。優良な業者を選ぶことで、適切な料金で確実な作業をしてもらえるため、結果として解体や廃棄物処理の費用を抑えられます。

悪徳業者を選ぶと必要以上の料金を取られたり、不十分な作業を行って追加の作業を発生させ、追加費用を請求されたりする恐れもあります。悪徳業者に引っかからないためにも、業者選定を行う際には複数の業者を比較することが大切です。心身ともにつらいときであればこそ慎重に判断し、苦難に寄り添ってくれる信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

火災現場の片付け作業業者選びのポイント

 

3-3.火災保険や自治体の補助金が使える場合も

火災保険や自治体の補助金を活用することで、解体・廃棄物処理の費用負担を抑えられる可能性があります。

火災保険の利用を考える場合は、工事を始める前に、解体費用が保険金の対象となっているか、保険金がいくらまで下りるかを確認しましょう。保険会社に連絡する前に工事を進めると、保険会社側で被害状況を確認できなくなり、保険金の額を算出できなくなる恐れがあります。

また、自治体によっては、廃棄物処理費用の補助以外にも「災害見舞金制度」を設けている場合があります。制度の内容や有無にくわえて、補助を受けるためには罹災証明書が必要な点は、廃棄物処理費用の補助制度と同様です。補助を受けられるかどうかで解体費用の負担は大きく異なります。解体作業にあたっては、廃棄物処理費用の補助とあわせて、自治体に制度の詳細を確認し、活用しましょう。

 

4.火事現場の解体に関する注意点

火事現場はできるだけ早く片づけたくなるかもしれませんが、慌てて解体作業や廃棄物の処理を進めると必要以上の損害を被る恐れがあります。解体や廃棄物処理を始める際には、次のような点に注意しましょう。

火災後すぐに解体を行わない

慌てて解体を行うと、自治体から廃棄物処理費用の補助が受けられない上に、保険会社の調査前に解体すると保険金が下りなくなることがあります。費用面の負担を抑えるためにも、罹災証明書の発行やゴミ処理、保険会社への連絡など、必要な手続きがすんでから解体を進めましょう。

近隣への挨拶は必ず行う

自分の家が火元の場合は特に、近隣への挨拶は進んで行う必要があります。「失火責任法」では、失火の延焼で近隣に損害を与えても、重大な過失でない限りは失火者の損害賠償責任は発生しないものと定められています。

出典:e-Gov「明治三十二年法律第四十号(失火ノ責任ニ関スル法律)

延焼の被害には火災保険の類焼損害補償で対処するケースがほとんどですが、近隣住民の心理としては、補償さえ受ければ何もかも許せるとは限りません。不要な衝突や摩擦を最小限に抑えるためにも、解体に入る前に、挨拶の品を添えて近隣住民に一言お詫びをすることをおすすめします。

解体は必ず業者に依頼する

費用を節約するために自力で解体するのは厳禁です。火事現場の解体は建物が倒壊するリスクもあり、通常の解体と比べて危険が伴います。作業者の身の安全を確保できないばかりか、近隣住民にさらに迷惑をかける結果になる可能性が高くなります。安全に解体作業を進めるためにも、なるべく優良な業者に依頼することが大切です。

上記の注意点を意識し、少しでも負担を軽減して解体を進めましょう。

 

まとめ

火事現場の解体した際に出る廃材は産業廃棄物扱いとなり、処理費用は解体にかかる費用の約10~20%であることが一般的です。解体費用は住宅の坪数や建物タイプなどによって異なります。

産業廃棄物処理費用を抑えるためには、解体前に燃え残りなどの火災ゴミを自身で片付け、一般廃棄物として処理するのが方法の一つです。罹災証明書があれば、火災による一般廃棄物処理の補助を受けることができます。また、依頼する業者選びも重要です。複数の業者に見積もりを取り、人件費や足場代・消臭費用などの内訳にも目を通しましょう。

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