部屋の中で焦げ臭い匂いがする場合、見えない場所で起きているトラブルのサインかもしれません。「何か燃えているのでは」「火事につながらないか不安」と感じるときは、原因を特定した上で適切に対処することで、思わぬ事故を防げます。
当記事では、焦げ臭い匂いの主な原因と解決策、自力でできる焦げ臭い匂いを消す方法、専門業者へ相談すべき判断ポイントを分かりやすく解説します。部屋に蔓延する焦げ臭い匂いを解消し、安心して生活できる空間を取り戻しましょう。
1.部屋が焦げ臭いときの原因と対策
部屋で焦げ臭い匂いを感じたときは、思わぬ火災や電気トラブルが潜んでいる恐れがあります。ここでは、家庭内で起こりやすい焦げ臭さの主な原因と、それぞれに応じた匂い対策を解説します。
1-1.キッチン周り(コンロやオーブンの消し忘れ)
料理中の加熱器具を止め忘れたり、鍋や油が焦げ付いたりすると、室内全体に強い焦げ臭さが広がります。コンロ周辺に油汚れやふきんがある場合は着火のリスクが高く、壁面や断熱材が熱で焦げることもあります。
■対策
火が出ていなければ、まず加熱を止めて換気を行います。炎が確認できる場合は119番通報をし、天井まで火が届いていない段階であれば消火器や濡れた布で初期消火します。油に直接水をかけるのは危険なため避けましょう。消し忘れ防止のため、調理中はコンロから離れないことが鉄則です。
1-2.コンセントや電源タップの発火
コンセント周りに蓄積したほこりがショートしたり、プラグとの接触不良が起こったりすると、発火して周囲の家具などを焦がすことがあります。電源が入っていない家電でも、プラグの接触不良やトラッキング現象によって発火する可能性があるため注意が必要です。
■対策
火花や焦げ跡を見つけたら、まず119番通報を行います。感電を防ぐため乾いた手袋を使ってプラグを抜き、ブレーカーを落として通電を遮断してください。初期消火ができれば、電気工事会社へ修理を依頼します。日頃からコンセント周辺の清掃とタコ足配線の見直しを行いましょう。
1-3.ブレーカー・配線の発熱トラブル
ブレーカーや配線が経年劣化すると、内部の緩みや接触不良から発熱し、焦げ臭さが生じることがあります。分電盤付近で焦げ跡や異臭がある場合は、配線内部でトラブルが起きている可能性が高いため注意が必要です。
■対策
焦げ付きや異常な熱を感じたら、使用を中止して電気工事会社に点検を依頼します。ブレーカーは専門資格がないと触れない部分が多く、自分で分解しないことをおすすめします。ブレーカーや配線は長期間使用すると劣化するため、10年前後を目安に点検を依頼すると安心です。
1-4.電球や照明の焦げ付き
電球にほこりやテープが付着すると、熱がこもって焦げ付くことがあります。蛍光灯は発熱しやすく、器具の規格に合わないLEDや電球を取り付けた場合も発煙・発火のリスクがあります。
■対策
焦げた電球を見つけたら必ず電源を切ってから交換します。照明器具が対応するランプの種類や口金サイズを確認した上で適切な電球を使用してください。ほこりが溜まると再発しやすいため、定期的な清掃と器具点検が効果的です。
1-5.暖房器具の近くにある衣類や布の焦げ
ストーブのそばに衣類・布団・紙類があると、熱で焦げ付いたり着火したりすることがあります。電気ストーブは発熱部分が露出しているものが多く、落下した衣類やペットの毛が原因となる事例も見られます。
■対策
すでに火が出ている場合は119番へ通報し、初期段階であれば濡れた大きな布で覆って消火します。危険を感じたらすぐに避難してください。日常的には、暖房器具の周りに可燃物を置かない・洗濯物を干さないなどが予防策になります。
1-6.エアコン内部の焦げ付き
エアコン内部のモーターや基板の不具合、蓄積したほこりの加熱などが原因で焦げ臭さが発生することがあります。室内機だけでなく、室外機から異臭や煙が出るケースもあり、放置すると火災につながる恐れがあります。
■対策
焦げ臭さを感じたらただちに電源を切り、コンセントを抜きます。その後、購入先や家電メーカー、修理業者へ連絡し、点検を依頼してください。予防としては、フィルター清掃や内部洗浄を定期的に行い、室外機周辺に物を置かないよう管理することが大切です。
1-7.タバコの吸い殻
消したつもりの吸い殻がくすぶっていたり、灰皿内の火種が残っていたりすると焦げ臭さの原因になります。また、ヤニが焦げ、布や紙に火が移る危険もあります。特に、寝タバコは重大な火災につながるため要注意です。
■対策
タバコの吸い殻は、必ず水で完全に消火してから捨てましょう。残った匂いは換気、消臭スプレー、重曹水スプレーでの拭き取りが有効です。屋内で吸う場合は耐熱性の灰皿を使い、吸い殻を放置しないことが重要です。
1-8.近隣・建物内の火災・ボヤ
室内に焦げ臭さがあるものの原因が見つからない場合、建物内の別室や近隣で火災・ボヤが発生している可能性があります。集合住宅では共有廊下や換気ダクトを介して、戸建てでは通気口や換気システムを通じて煙や匂いが入り込む場合があるため、早めの確認が必要です。
■対策
火災を発見したら119番通報し、非常ベルや声かけで周囲に知らせます。避難時は煙の侵入を防ぐため窓や扉を閉め、落ち着いて外へ避難してください。自宅に被害が及んでいなくても、匂いが強い場合は後日の消臭対策が必要になります。
2.部屋がボヤで焦げ臭い場合に匂いを消す方法
ボヤの後に残る焦げ臭さは、家具や壁に付着した煤(すす)が原因になっていることが多く、放置すると匂いが強く残ります。ここでは、自分で取り組める消臭方法を紹介します。
■換気を行う
まずは部屋全体の空気を入れ替え、こもった匂いを外へ排出します。窓やドアを開け、換気扇を作動させて空気の流れをつくると効果的です。ただし、換気だけで完全に消えるのは軽度のボヤの場合に限られます。
■ボヤの発生源を処分する
焦げた家具・カーテン・カーペットなど、匂いの原因となるものが残っていると再発します。焦げ跡のあるものは思い切って処分し、新しいものに交換しましょう。
■壁や家具に付着した煤を掃除する
煤が残っていると、匂いがいつまでも消えません。まずははたきで天井→壁→床の順に払い落とし、次にブラシや箒で軽く掃き取ります。煤は再び舞いやすいため、力を入れずに丁寧に行うことがポイントです。家庭用掃除機の使用は、フィルターの目詰まりや煤の拡散の恐れがあるため避けましょう。
■重曹やクレンザーで拭き掃除する
重曹を溶かしたぬるま湯で壁や家具を拭くと、煤汚れが落ちやすくなります。しつこい汚れにはクレンザーが有効ですが、研磨剤による傷に注意しながら使用してください。最後にきれいな布で仕上げ拭きを行いましょう。
■壁紙を張り替える
煤が浸透してしまった壁紙は、掃除だけでは匂いが取れない場合があります。その際は張り替えを検討し、必要に応じて専門業者へ依頼してください。
3.部屋の焦げ臭い匂いが消せない場合は消臭業者に相談しよう
火災後の焦げ臭さが残り続ける場合は、早めに専門の消臭業者へ相談することがおすすめです。ボヤ後の焦げ臭さは、時間が経つほど壁材や家具に深く染み込み、自力での完全除去が難しくなります。特に、火災臭は非常にしつこく、自力で取り除くには長期間を要することがあります。
焦げ臭さを生じさせる成分は不揮発性で分解が遅く、天井やコンクリート内部の細かな穴に染み込んでしまうため、換気や脱臭剤、掃除だけでは消臭できません。さらに、火災現場に残る煤は放置するとサビを生じさせ、建物の耐久性を損なう原因にもなります。安全面と消臭効果を考えると、焦げ臭い匂いに気付いた段階で専門の消臭業者に相談するとよいでしょう。
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焦げ臭い匂いは、思わぬ危険を知らせるサインです。まずは原因を特定し、火災につながる可能性がないかを冷静に確認することが重要です。軽度のボヤであれば換気や煤の除去で改善できますが、焦げ臭さが長く残る場合は一般の清掃では解決が難しくなります。そのため、焦げ臭さが続く場合や原因が特定できない場合は、早めに消臭業者へ相談しましょう。
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