火災というのはほとんどの人にとっては生涯に一度も直面することのない災いです。今このページをご覧になっている方は火災の被害に遭われて当惑されているかもしれませんが、今回火災の被害に遭われる前はどこか他人事であったのではないでしょうか?
実際、火災の被害に遭われて弊社にご相談いただくほぼ全ての方が初めて火災を経験し、困惑し、何をどうして良いかわからない精神的にも大変弱った状態になっています。火災現場の片付け作業というのはその現場建物の構造や火災の規模、被災状況によって対応は様々です。弊社で実際にどのような作業を行っているのか解説します。
火災被害の現状について
まずは現在の日本でどの程度の火災が発生しているでしょうか?令和元年版の消防白書によると平成30年中には全国で3万7,981件の火災が発生しており、一日当たりに換算すると104件の火災が発生したことになっています。出火件数についてその内容を見てみると建物火災が全火災の54.7パーセントで最も高い比率を占めています。また出火の季節はストーブなどの火気を使用する機会の多い冬から春にかけてが全体の56.4パーセントを占めています。
出火率、人口1万人当たりの出火件数は全国平均で3.0件/万人となっておりほとんどの人は生涯、自身が火災の被害に遭うことは滅多にないことと言えます。しかしながら自分が絶対に火災の被害に遭うことは無いとは断言はできません。交通事故などの被害と同じで火災を起こそうとして火災の被害に遭っているわけではないのです。
たばこの不始末、ちょっとした不注意、ウッカリした火の不始末、電化製品からの発火など意図的に発生した火災はほとんどありません。普段から火災が起きないように注意して生活することや火災報知機の設置、消火器の準備等、少しでも被害を少なくするための努力は必要ですが、現実には火災の発生、火災の被害をゼロにすることはできません。
株式会社アイコムは火災現場の片付け、現場の完全復旧、完全消臭などを全国各地で行っている専門会社です。火災の発生をゼロにすることはできませんが、不幸にも火災の被害に遭われた方が一日も早く元通りの生活を取り戻せるよう日々取り組んでいます。
人が生活をしている中で火災の被害をゼロにすることは出来ませんが、万が一火災を起こしてしまっても被害を最小限にすることや一日も早い原状復帰をすることは可能です。アイコムがご依頼者様に寄り添って解決します。
火災現場の片付け作業における特殊事情
株式会社アイコムでは遺品整理、ゴミ屋敷の片付け、不用品の回収、特殊清掃などの業務も行っています。これらの現場においての作業と火災現場の作業とは大きく異なる点が2点あります。ひとつは火災現場は消火作業のために水浸しになっていて燃えカスには有害な物質も含まれているという点。そしてもうひとつはご依頼者様にとって貴重なものが燃え残っているかどうかすら判らないという点です。
火災現場残置物の丁寧な仕分け
火災の被害に遭った室内に残された家具や家電製品などは火災による煤が付着しています。煤には有害なものもあるためむやみに扱うことは危険です。煤が飛散して周辺に被害を拡散しないように丁寧に取り扱う必要があります。多くの家財、特に家電製品は消火作業の放水で濡れているため使い物にならなくなっているものも多いのですが、防水機能のあるもの、貴金属やアクセサリーなど濡れただけなら問題のないものも多くあるはずです。
そのような品を見逃さないように火災現場の片付けを丁寧に行います。室内に残っている家財は完全に燃え尽きているものは少なく半分が燃えてしまったタンス、外装が熱で溶けた液晶テレビ、金属部分が燃え残っている電子レンジ、割れた陶器やガラスなどが散乱しています。一見すると煤で真っ黒になっているため完全に燃えているように見えますが実際はそうではないのです。
火災現場で発生する廃棄物は一般のゴミと同じように分別する必要があります。そうすることで廃棄手数料を安くすることが出来ます。火災ゴミの廃棄手数料の減免を受けるためにも丁寧な分別と適切な廃棄はとても重要です。
火災現場に残された廃棄物は一見すると燃えカスなのでまとめて捨てられると思われがちですがそうではありません。丁寧に分類しないと廃棄物処理の手数料が高くなります。知識のない業者に依頼してしまうと思わぬ出費となってしまうので注意が必要です。火災現場の片付け実績のある業者に依頼しましょう。
丁寧な仕分け・分別で大切な品が見つかる
消防車から放水される水の圧力をご存じでしょうか?少し角度をつけて放水すると30メートル以上の距離まで届く水圧です。訓練を受けている消防士でも放水の時はしっかり踏ん張っています。逆を言えばそれだけの水圧で放水された室内はどうなるでしょうか?様々なものが水浸しになるだけでなく水の勢いで様々なものが室内に散乱しています。さらにその上に燃えて崩れ落ちた壁や天井が覆いかぶさっています。もう、室内のどこに何があったかわかるような状況ではありません。
このような火災現場を片付ける際にも通常の不用品の分別作業と同様に一つ一つ丁寧に仕分けていきます。火災で発生した室内の廃棄物は一般廃棄物として処理します。処理手数料も消防署で罹災証明書を発行してもらうことで減免できます。一般廃棄物という事は日常排出されるゴミと同じで燃やすご、プラスチックごみなどのように分別する必要があります。
火災で散乱した室内のゴミを分別するのは大変な作業です。しかし丁寧に分別作業を行うことでその中に埋もれている貴重な品を発見することが出来ます。アイコムは特殊清掃現場、遺品整理作業などで物を仕分ける作業を日常的に行っています。ご依頼者様の大切な焼け残った品を見つけ出します。
火災に遭った現場を一見すると真っ黒ですべてが燃えてしまっているように見えますが煤で汚れているだけのものもあり引き出しの中や金庫に保管されたものは比較的キレイな状態であるケースもあります。アイコムのスタッフは丁寧に一つ一つ確認する作業を怠りません。
火災現場の片付け作業で重要なポイント
火災現場に残された煤対策
火災現場には様々な素材でできた家具や内装材、家財、家電、雑貨類などが燃えることで発生する煙、煤などに含まれる有害物質が多く残されています。煙は消火と共に無くなりますが煤は建物のあらゆるところに付着しています。この付着した煤はものが触れたり、風などの空気の動きで大気中に飛散します。
この飛散した煤を体内に取り込まないよう火災現場の片付け作業を行う際には防護マスクや防護服を着用しています。また、建物外に煤が飛散しないように火災現場は完全に密閉して作業を行い、現場の出入りにはエアシャワーなどで外部に煤が放出されることを防いでいます。
火災の規模によって室内の煤を丁寧に清掃したり、コンクリートに焼き付いた煤はグラインダーで削り取って完全に煤を除去します。煤が残っていると火災現場をいくらリフォームしても後々も煤の臭いが残っているという事になってしまいます。
罹災証明書の取得と火災ゴミの処分
火災を起こしてしまったら火災現場の片付けを行う前に管轄の消防署で罹災証明書を発行してもらいましょう。罹災証明書というとなんだか役所で発行してもらえるイメージですが火災の場合は消防署で発行してもらいます。市区町村の役所で罹災証明書を発行したもらうのは地震や台風などの自然災害によるものの場合です。
罹災証明書を発行してもらったら火災で発生した廃棄物の処理について市区町村の担当窓口に相談し、どのように処分をするか十分な打ち合わせを行います。火災現場から出るごみは通常のゴミとは違う扱いとなります。市区町村によっても対応は異なりますので十分な確認と打ち合わせが必要です。これをいい加減にすると火災現場で発生したごみの処分手数料の減免措置や一般廃棄物としての処分ができなくなるケースもあるので注意が必要です。
アイコムではご依頼者様の金銭的な負担を抑えるために市区町村の担当者と入念に打ち合わせを行っています。
近隣住宅への十分な配慮と対策
火災を起こしてしまうと近隣住民の方々に大きな不安を与えてしまいます。火災の被害に遭われた方も大変な精神的な負担を抱えていると思いますが周辺の住民の方への配慮も大切です。アイコムではご依頼者様に代わって近隣住民の方に不安を与えないような配慮、丁寧な作業と、わかりやすい説明を行っています。
特にマンションなどの集合住宅の場合、共用部分の養生など管理組合や住民組織の方々と協議し、火災となった現場の片付け作業の日程、ゴミの搬出のスケジュールなど打ち合わせながら作業を行います。どうぞ安心してお任せください。
完全な消臭作業
火災現場に残された臭いというのはなかなか取り除くことが出来ません。煙や煤による臭いというのは室内の隅々まで染みついてしまいます。例えばタバコを吸わない人が喫煙者が使った部屋に入るとすぐその臭いに気付くのと同じように火災の被害に遭った室内というのは煙や煤の臭いが長い間残っています。
火災現場の消臭というのは一般的な消臭剤では取り除くことは出来ません。火災の規模や現場の建物構造に合わせて臭いの元となる煤の除去、特殊コーティング、オゾン脱臭などを行うことが効果的です。
完全な消臭作業というのは消臭技術と実績がある業者に依頼する必要があります。業者の中には十分な技術の無いのに消臭作業を行う業者もいます。アイコムは火災現場以外にも孤独死の現場やゴミ屋敷、ペット屋敷などの完全消臭作業を行っています。安心してお任せください。
建物の解体とリフォーム
火災現場の被害状況によっては内装を解体しリフォームする必要があります。戸建て住宅で全焼の被害のような場合には完全に解体するケースもありますが、マンションなどではその部屋を解体し、煤などの有害物質を取り除いたのちリフォームする必要があります。
アイコムは解体業の許可をもっており、またスタッフも特殊清掃現場でのリフォーム経験が豊富なため効率的な解体とリフォーム作業が可能です。火災現場の片付けからリフォーム作業までワンストップでアイコムが対応しております。